【2025年最新試験概要】葬祭ディレクターの資格とは?試験内容や合格率、メリット、実際の合格者の勉強方法を徹底解説|2級合格者が解説
葬祭ディレクター
公開日:2025.06.03

本記事では、2025年度試験の最新情報から、合格率や勉強法、実技の注意点まで、経験者の視点で解説していきます。
「今年こそ受けたい」「独学で不安…」という方に向け、具体的な試験対策やキャリアへの活かし方もお伝えします。 「葬祭ディレクター資格取得支援のある求人」や「葬祭ディレクター資格手当」のある求人もご紹介するので、キャリアアップ転職にも役立ちます!
葬祭ディレクターとは?

葬祭ディレクター技能審査は、厚生労働大臣認定の制度です。
国家資格や業務独占資格ではないため、葬祭業に従事するにあたって試験に合格する必要はないものの、葬祭業界内での評価や社内昇格において重要視されるケースも多く、事実上の業界標準資格と言える位置づけです。
POINT! 葬祭ディレクター資格を取るメリットって?


私自身、現場経験を重ねる中で「もっと体系的に学びたい」「信頼される存在になりたい」という想いから、この資格の取得を目指しました。勉強して努力し取得したという結果は葬祭ディレクターとしての自信につながり、ご遺族様からも有資格者ということで信頼していただけるメリットがあります。
【2025年試験概要】葬祭ディレクター技能審査の受験料・基本情報・試験内容

資格の種類
葬祭ディレクター技能審査は「2級」と「1級」に分かれており、受験資格は以下の通りです。 【2級】 家族葬など個人葬中心: 葬祭実務経験2年以上
【1級】 一般葬〜社葬などを網羅: 実務経験5年以上、または2級取得後2年以上
後述しますが、どちらもペーパーテストである学科試験、作業が必要な実技試験にわけられます。
【2025年試験最新情報】試験の受験料
葬祭ディレクター技能審査試験の受験料は次の通りです。 学科試験 | 実技試験 | 合計 | |
---|---|---|---|
2級 | 15,000円(税込) | 30,000円(税込) | 45,000円(税込) |
1級 | 15,000円(税込) | 45,000円(税込) | 60,000円(税込) |
※受験申請後、3日以内に本人名義にて振込で受験料を支払います。3日以内に支払いができなかった場合は自動的にキャンセル扱いとなり、再度の受験申請が必要なので気を付けましょう。
2025年の最終申込期限は【2025年7月2日(水)】までですので注意しましょう。
【2025年試験最新情報】試験の日程・内容・基本情報
受験申込み期間 | 2025年6月2日(月)~7月2日(水) |
---|---|
学科試験日 | 2025年10月1日〜31日の間で希望日を選択(CBT方式) |
実技試験日 | 2025年11月19日(水・友引)に一斉実施 |
学科会場 | 全国200カ所のテストセンター |
実技会場 | 全国8カ所の指定会場 |
公式サイト | 葬祭ディレクター技能審査(一般社団法人 全日本葬祭業協同組合連合会) |
試験は上述したとおり、「学科」「実技」に分かれます。実技のなかには「幕張」「接遇」「司会」があります。詳しい内容は以下のとおりです。
Check!【葬祭ディレクター技能審査の変更点】
・2024年度に続き、「学科試験」はCBT(Computer Based Testing)方式となり、パソコン画面に表示される問題に解答する方式になります。・2023年度までに実技試験として行っていた「実技筆記」が、独立した学科としては廃止され「学科試験」の中に盛り込まれます。
目的 | 内容 | ||
---|---|---|---|
学科試験 | 葬儀及び関連する事項についての知識を評価する | 葬儀に係る仕事の内容、社会的環境・公衆衛生・法律・行政手続・遺族心理・宗教等の関連知識 ご遺族に対し、適切な言葉づかい、心配り、サービスマインドができているか、一般常識をわきまえているか、顧客からの質問・要請・クレームに対して消費者の目線で適切に対応できるか、ご遺族からの信頼を得て、葬祭サービスを提供できるか |
|
実技試験 | 幕張 | 葬儀式場設営のための基礎能力を評価する | 幕張装飾技法の習熟度、設営課題実現のための目的意識と処理能力を判定 制限時間:7分 持ち物:はさみ、メジャー |
接遇 | 葬儀の担当者としてのご遺族等への基本的な応接能力を評価する | ご遺族の適切な応接、挨拶、お悔やみ、意向を聴くこと、基本事項の確認を行うことを通して、礼等の基本的マナー、言葉遣い、進行の適切さ、姿勢、発声等 制限時間:2分 |
|
司会 | 葬儀運営のための基礎能力を評価する | 葬儀・告別式の内容を理解し、参列者に配慮して適切な案内・進行ができるか、必要な日本語読解力、文章表現力が備わっているか、マナーが優れているか 制限時間: 2級 4分 1級 6分(標準時間4分以上) |
葬祭ディレクター試験の合格率・合格基準
合格率
2022年から2024年までの葬祭ディレクター試験の合格率は以下のとおりです。【2級】
2022年(令和4年) | 2023年(令和5年) | 2024年(令和6年) | |
---|---|---|---|
受験者数(人) | 747 | 743 | 707 |
合格者数(人) | 561 | 561 | 582 |
合格率(%) | 75.1 | 75.5 | 82.3 |
【1級】
2022年(令和4年) | 2023年(令和5年) | 2024年(令和6年) | |
---|---|---|---|
受験者数(人) | 817 | 828 | 1053 |
合格者数(人) | 538 | 560 | 751 |
合格率(%) | 65.9 | 67.6 | 71.3 |
※参考:葬祭ディレクター技能審査 過去の試験結果
POINT! 合格率の推移


葬祭ディレクター2級の合格率は、長年65%~75%前後を推移していましたが、去年2024年度は、なんと24年ぶり(2000年度以来!)に【合格率80%】を超え、合格率82.3%と高水準をマークしました。
葬祭ディレクター1級の合格率についても、ここ10年以上56%~69%を推移していましたが、去年2024年度は、15年ぶりに【合格率70%】を超えました。
「今まで見送ってきたけど、今年こそは受験しようかな…」と感じている人にとっては、この易化傾向はこれ以上ない追い風ではないでしょうか!
葬祭ディレクター1級の合格率についても、ここ10年以上56%~69%を推移していましたが、去年2024年度は、15年ぶりに【合格率70%】を超えました。
「今まで見送ってきたけど、今年こそは受験しようかな…」と感じている人にとっては、この易化傾向はこれ以上ない追い風ではないでしょうか!
合格基準
葬祭ディレクター技能審査の配点と合格基準は以下のとおりです。(1級・2級共通)
配点 | 合格基準 | |
---|---|---|
学科試験 | 200点満点 | 70%以上の得点 |
実技試験:幕張 | 60点満点 | 幕張・接遇・司会の点数を合計して70%以上の得点。 ※但し、いずれもが30%以上の得点であること |
実技試験:接遇 | 70点満点 | |
実技試験:司会 | 70点満点 |
葬祭ディレクター資格の勉強方法や対策【実体験からのポイントを紹介】

葬祭ディレクター資格の取り方
・専門学校に行く・実務経験を積みながら独学で勉強する
葬祭ディレクターの資格を取得するためには勉強が必須です。主な勉強方法は上記の2つです。
専門学校に行く
専門学校では2級葬祭ディレクターの資格取得を目指せます。葬祭ディレクター技能審査協会が認定した、葬祭ディレクター資格取得を目指せる専門学校は以下の通りです。
・日本ヒューマンセレモニー専門学校 フューネラル学科/エンバーミング学科
・駿台トラベル&ホテル専門学校 葬祭ディレクター学科
・専門学校東京ホスピタリティ・アカデミー(旧:東京観光専門学校)葬祭ディレクター学科 葬祭ディレクターコース
・国際ホテル・ブライダル専門学校 葬祭ディレクター科・福岡ブライダル&ホテル・観光専門学校 葬祭ディレクターコース
・長野平青学園 ホテル・ブライダル&セレモニーコース
・大阪ウェディング&ホテル・観光専門学校 心のおもてなし科 葬祭ディレクターコース
・ウェディング・ホテル&ツーリズム専門学校 葬祭学科
・専門学校大阪ホスピタリティ・アカデミー(旧:大阪観光専門学校)葬祭ディレクター学科 葬祭ディレクターコース
専門学校では資格習得を目指せるだけではなく、体系的な知識が身につくため「就職しやすくなる」というメリットがあります。
一方でお金や時間、手間がかかってしまうというデメリットもある点に注意してください。
実務経験を積みながら独学で勉強する
ほとんどの方は独学で勉強します。葬祭ディレクターは実務経験が必須であるため、仕事に従事しながら資格習得を目指すケースが多いです。働きながら目指すことで実務経験が身につき、試験合格に有利になります。試験に合格した先輩葬祭ディレクターに習いながら、お金や時間、手間がかかるのを最小限に抑えることが可能です。
また、葬祭ディレクター資格取得に向けた参考書・問題集も葬祭ディレクター技能審査協会から販売されています。
独学のための参考書・問題集は以下の通りです。
・「四訂 葬儀概論」(2020年4月刊行)
B5版、1部 頒価10,476円(税込・送料別)(税別 9,524円)
・「2025年版葬祭ディレクター技能審査 模擬問題集」
A4版、1部 頒価2,750円(税込・送料別)(税別 2,500円)
・「解題 葬儀概論」(2020年4月刊行)
※学科試験模擬問題を「葬儀概論」で体系的に解説。
A4版、1部 頒価3,143円(税込・送料別)(税別 2,858円)
参考書、問題集は「葬祭ディレクター技能審査協会」のホームページから購入可能です。
【葬祭ディレクター2級合格者の体験談】勉強方法や対策のポイント!
私自身、日々の業務と並行しながら葬祭ディレクター2級の資格取得を目指し、独学で学習しました。 ここでは、実体験をもとに「学科・実技」試験の対策で意識したポイントを3つに分けてご紹介します。

【ポイント① 学科試験は模擬問題集を繰り返し解こう】
学科試験対策として、最初に「葬儀概論」を読み始めたものの、(読み切れない…)(内容が難しい…)と諦めてしまった人もいるのではないでしょうか?「葬儀概論」は網羅性が高い一方で、文章が固くボリュームもあり、初学者が最初から通読するにはハードルが高い教材です。
でも大丈夫!実務経験をお持ちで葬祭ディレクター資格を目指す皆さんなら、まずはとりあえず「模擬問題集」をいきなり解いてみても意外と得点が狙えます。
私が行ったのは以下の流れです。
1.模擬問題集から、直近の学科試験を解く
2.自己採点をし、間違えた部分を「解題 葬儀概論」や「葬儀概論」で復習する
3.同じ模擬問題集を再度解き、理解度を確認する
4.別の過去年度の模擬問題に挑戦し、出題傾向を掴む
上記の4ステップを繰り返して、少しずつ得点を狙っていきましょう!2.自己採点をし、間違えた部分を「解題 葬儀概論」や「葬儀概論」で復習する
3.同じ模擬問題集を再度解き、理解度を確認する
4.別の過去年度の模擬問題に挑戦し、出題傾向を掴む
模擬問題集から複数の年代の試験を解くとわかりますが、「意外と毎年同じ問題が複数出題されている」など出題傾向にも気が付くことができます。
解き慣れたら、先輩葬祭ディレクターから過去の模擬問題集を借りるなどして多くの年代の過去問を解くこともおすすめです。
【ポイント② 「接遇」と「司会」は実務ベースで再構成を】
実技試験の「接遇」と「司会」については、模擬問題集に「実演例」が掲載されています。とりあえずそれを丸覚えして試験に臨めばOKと教わる人も多いのではないでしょうか?しかし「実演例」を丸覚えのままだと、葬祭ディレクターの実務経験がある方にとっては、いつもの接遇や司会と混ざって混乱の原因になることもあります…!
実は、模擬問題集に掲載されている「実演例」はアレンジしても、指定された要素が入っていれば文章で減点されることはありません!(※1語たりとも変更してはいけない「指定課題」の読み上げを除く)
実務ですでに遺族打ち合わせや司会業務をご担当されている方は、実際の打ち合わせ文や司会文をベースに、普段から試験に備えられる文章構成を意識しましょう。
もちろん、普段の業務でも重要な
・読み間違えをしていないか
・最初に立って挨拶→自己紹介やお悔やみを伝える→座るの順序を守れているか
・お客様の気持ちに配慮した声色や態度か
・ゆっくり落ち着いた所作や進行か
なども重要な評価ポイントです。・最初に立って挨拶→自己紹介やお悔やみを伝える→座るの順序を守れているか
・お客様の気持ちに配慮した声色や態度か
・ゆっくり落ち着いた所作や進行か
葬祭ディレクター技能審査をきっかけに、普段の葬祭ディレクターとしての実務を見直す良い機会にもなるので意識してみましょう!
【ポイント③ 「幕張」は練習あるのみ!6分以内の完成を目指そう】

こればかりは試験に向けて練習を重ねた人しか合格することしかできません。毎年課題は変わらず同じ試験内容のため、反復練習が合格の鍵になります。
通常のお仕事の休憩時間や終業後の時間を利用し、会社や先輩にも協力してもらったうえで、とにかく練習を頑張りましょう!詳しい幕張のポイントは以下の通りです。
1.時間
2.腕の長さで測るテクニック
3.YouTube動画で先輩のコツを掴もう
1.時間2.腕の長さで測るテクニック
3.YouTube動画で先輩のコツを掴もう
試験課題は「制限時間7分」のため、練習では6分以内にきれいに仕上げることをまずは目標にしましょう。
私は試験直前には「5分以内で仕上げる」ことを目標にしていました。少しずつタイムが短縮されていくことで、練習の成果が見えてモチベーションにもつながります。
2.腕の長さで測るテクニック
ちょっとした工夫ですが、自分の腕の長さを計測し覚えることも大切です。
私の場合、両腕をいっぱいに広げた長さは約130㎝。つまり、180㎝の焼香台の天張りに必要な約200㎝の布の長さは「両腕いっぱい+片腕分」でざっくり簡単に裁断できます。ひだのための側面布を裁断するときも同様です。
メジャーを使うより簡単に測れるので試してみてください!
3.YouTube動画で先輩のコツを掴もう
また、YouTubeなどで検索すると、ベテラン葬祭ディレクターの幕張実演動画なども配信されています。空き時間や自宅ではYouTube動画での勉強も効果的です。
POINT! 先輩葬祭ディレクターのアドバイスはなによりの宝!


私の葬祭ディレクター試験の勉強法を紹介しましたが、葬儀社にお勤めの方はぜひ先輩葬祭ディレクターにも相談してみてください。
先輩葬祭ディレクターの体験談や練習方法は、実践的かつ信頼できる合格への近道です。
先輩葬祭ディレクターの体験談や練習方法は、実践的かつ信頼できる合格への近道です。
資格取得支援や資格手当のある企業でキャリアの可能性を広げよう

葬祭ディレクターは将来性が高く、やりがいもある仕事です。「名刺に肩書きを添えるため」だけのものではありません。
葬儀業界の求人情報を見ていると、「1級・2級保持者優遇」や「1級所持者は年収モデル600万円以上」など、資格を前提としたポジションが明記されたものも少なくありません。
特に40代以降で管理職や教育係へのキャリアを考える場合、「1級の有無」が選考に影響を及ぼすこともあるようです。
ただし、葬祭ディレクターは実務経験がなければ資格を取得できません。まずは葬祭業の仕事に就いて、実務経験を積みましょう。
実際に、資格手当や取得支援制度が整っている企業も多くあります。
葬祭業界専門の転職サポートサイト「葬祭ジョブ」では、葬祭ディレクター資格に関する支援が手厚い企業が多数あります!ぜひ検索してみましょう。
葬祭業の就職におすすめなのが葬祭ジョブです。葬祭ジョブは葬祭業界専門の転職サポートサイトです。キャリアアドバイザーが相談に乗ってくれるため、未経験でも心配する必要はありません。まずは気軽に登録してみましょう。
POINT! 葬祭ディレクター資格取得支援のある企業のメリット


実際に私が資格取得を目指す中で強く感じたのは、「職場環境の影響の大きさ」です。
勉強時間の確保、実技練習の機会、試験に理解のある上司や仲間の存在……。これらが揃っているかどうかで、合格までの道のりがまったく違います。
これから1級・2級の受験を目指すなら、こうした制度のある企業への転職も視野に入れることをおすすめします。
勉強時間の確保、実技練習の機会、試験に理解のある上司や仲間の存在……。これらが揃っているかどうかで、合格までの道のりがまったく違います。
これから1級・2級の受験を目指すなら、こうした制度のある企業への転職も視野に入れることをおすすめします。
葬祭ディレクター経験者もこれから目指す方も!「資格を取る理由」がここにある!
葬祭ディレクター資格は、ただの“飾り”ではありません。
現場にいる私たちがこの資格を取ることで、自分の仕事を言語化し、磨き、ご遺族様から信頼される土台になる──これは受験を通じて気づいた一番の収穫でした。
試験は一筋縄ではいきません。学科の知識、実技の所作、時間の使い方……。でも、それらはすべて、現場に還元できる「自分の武器」になります。
2025年の申込み受付は【6月2日(月)から】スタートです。
「経験があるけれど資格はまだ」という方は、まずは公式サイトや試験概要をチェックして、目標に向けた一歩を踏み出してみてください。
資格支援あり求人を探す:葬祭ジョブで検索する
葬祭ディレクター技能審査公式サイト
現場にいる私たちがこの資格を取ることで、自分の仕事を言語化し、磨き、ご遺族様から信頼される土台になる──これは受験を通じて気づいた一番の収穫でした。
試験は一筋縄ではいきません。学科の知識、実技の所作、時間の使い方……。でも、それらはすべて、現場に還元できる「自分の武器」になります。
2025年の申込み受付は【6月2日(月)から】スタートです。
「経験があるけれど資格はまだ」という方は、まずは公式サイトや試験概要をチェックして、目標に向けた一歩を踏み出してみてください。